東京都江戸川区の都立大島小松川公園近くの排水溝の水が、環境基準の3千倍を超す濃度の六価クロムに汚染されていることが東京農工大の研究グループの調査で分かった。六価クロムは発がん性が指摘される有毒物質。周辺ではこれまでも漏出が相次いでおり、無害化処理されないまま地中に埋まっている可能性がある。原因究明を怠ってきた都の姿勢が問われそうだ。
排水溝は、江戸川区小松川1丁目の歩道下を通る。今年1~2月、東京農工大の渡辺泉准教授(環境毒性学)の研究グループが水を採取して調べた。最高で153ppmの六価クロムを検出した。環境基準1リットルあたり0・05ミリグラム(0・05ppm)の3千倍以上。
排水溝は格子状の金属のふたがしてあり、住民が直接触れるおそれはないが、口に入れば深刻な影響も懸念されるレベルという。