横浜市は、消防法に違反した施設名を10月から独自基準で公表することを決めた。施設名の公表は、2012年5月に宿泊客7人が死亡した広島県福山市のホテル火災を受け、総務省消防庁が全国の自治体に出した通知(昨年12月)に基づいたものだが、市は条例を改正して公表施設の対象範囲と違反内容をより厳格化。早期に危険性を周知し、火災予防につなげたい考えだ。
これまでも、消防法に基づく是正命令を出した場合は施設名を公表していたが、命令までの手続きに半年以上かかることが少なくなかった。
そのため、市は5月の市議会で市火災予防条例の一部改正案を可決。消防庁通知が公表を求めた「屋内消火栓やスプリンクラー、自動火災報知機が設置されていない施設」を「未設置だけでなく維持管理が不適切な施設」と厳格化した。
さらに、公表対象も通知の「(ホテルや百貨店、病院など)不特定多数が出入りする施設」に、「民間マンションや工場、倉庫」を加えた。いずれも立ち入り検査で違反を確認した場合、施設に通知後、14日以内に改善されなければ消防局のホームページで施設名、所在地、違反内容などを公表する。
市消防局によると、市独自の対象に該当するのは約3万5000カ所あり、現時点で56施設の違反を確認。改善を求めているという。
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