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2014.06.04 Wednesday

【廃棄物】放射能汚染木くず 千葉で堆肥化 測定せず搬出 処理野放し 「不法投棄されない仕組みを」(滋賀)

 滋賀県の琵琶湖畔に放射能汚染木くずが不法投棄された事件で、木くずの一部が千葉県市原市の造園会社で堆肥化され、放射能濃度を測定することなく外部に搬出されていたことが分かった。福島原発事故で汚染された木くずの処理は野放し状態だ。(内田淳二、荒井六貴)

 「汚染されているとは知らずに、場所を貸して堆肥にした。宮崎県などの木くずという話だった。迷惑している」
 市原市の造園会社の担当者は、困惑した表情でそう打ち明けた。
 問題の木くずは現在、どこにあるのか。この担当者は「木くずは昨年三月ごろ、千葉県木更津市の土木業者から運び込まれ、五十トン近くを培養して堆肥にした。土木業者が数カ月後に搬出し、どこにあるか分からない」と説明する。

 だが、土木業者は「横浜市の団体役員から堆肥化を依頼された。搬出先は知らない」という。団体役員は、滋賀の不法投棄事件への関与が疑われている人物だ。団体役員は本紙の取材に「造園会社でほかの堆肥と混ぜられて使われたはずだ」と主張した。真相はやぶの中だ。


 確かなのは、汚染木くずからつくった堆肥の放射能濃度が全く分からないことだ。堆肥として使用できる国の基準は1キロ当たり400ベクレル以下。滋賀の汚染木くずから同最大3900ベクレルが検出されたことを考えれば、基準値を上回る堆肥がばらまかれた可能性は否定できない。

 農林水産省は遅ればせながら昨年12月、都道府県や業界団体に対し、放射能濃度が不明だったり、産地が不明確だったりする原料を堆肥づくりに使わないよう通知を出した。
 問題の木くずは、山梨県富士河口湖町内の民有地にも昨年4月ごろ、約40立方メートルが運び込まれていた。
 地主の男性は、山梨県環境整備課の調べに「知人が堆肥のサンプルとして置いていった。引き取ってもらえなくなっている。汚染は知らなかった」と話している。

 木くずからは、1キロ当たり3000ベクレル前後の放射性セシウムが検出され、堆肥には使えない。放置場所は、公道から10メートルほどしか離れておらず、周辺住民からは、不安の声も寄せられている。
 放射能汚染廃棄物の処分は、放射性セシウムが1キロ当たり8000ベクレルを超えた場合は国が担う。しかし、今回の木くずのように8000ベクレル以下は、廃棄物処理法上の産業廃棄物として排出元が処分する。

 廃棄物の問題に詳しい熊本一規・明治学院大教授(環境政策)は「そもそも、放射能汚染廃棄物の処分を、ほかの産廃と同じにしたことが間違いだった。通常の産廃でも不法投棄が問題化しているのだから、汚染廃棄物で不法投棄が起きることは想定できた。汚染廃棄物が不法投棄されないような仕組みづくりが必要だ」と指摘する。

◆ 滋賀の汚染木くず不法投棄事件
滋賀県警は今年3月、廃棄物処理法違反などの疑いで、東京都千代田区のコンサルティング会社代表と、滋賀県近江八幡市の土木業者、横浜市の団体役員の計3人の関係先を家宅捜索した。3人は昨年3~4月、福島県本宮市の製材業者から排出された産業廃棄物の木くず310立方メートルを適正に処理しないまま、滋賀県高島市の琵琶湖近くに不法投棄した疑いがもたれている。滋賀県の測定では、木くずから1キロ当たり最大3900ベクレルの放射性セシウムが検出された。

出典:2014/06/01 東京新聞朝刊

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