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【モーダルシフト】東北―九州間、森永乳業、全て鉄道輸送に、業務用食品など、CO2削減、来年度中。

 森永乳業は製品の輸送手段をトラックから鉄道へ切り替える「モーダルシフト」を広げる。
今年度から東北―近畿間で業務用食品の鉄道輸送を始めたほか、関東―九州間の鉄道輸送を倍増する。2015年度中には東北―九州間を全て鉄道輸送にする。二酸化炭素(CO2)を削減し、運送業界の人手不足をにらみながら環境とコストを両立する。

 森永乳業の盛岡工場(盛岡市)では子会社のクリニコ(東京・目黒)が手がける流動食などを生産している。
今年4月に同工場から近畿の物流拠点への業務用食品の輸送をトラックから鉄道に変えた。2010年1月からは福岡市などを中心に九州へ流動食を運ぶ際にもJR貨物を使っており、2013年度は盛岡―九州間でトラック200台分に相当するコンテナ約500基分を鉄道で運んだ。業務用食品も約60基分を鉄道輸送した。

 流動食は病院や介護施設で使われており、品質を維持する上で温度管理が必須となる。気温が上がる夏場は冷温が保証できるコンテナの確保が難しく、盛岡―九州間の鉄道輸送はこれまで10月から翌年5月にわたり実施していた。コンテナの改良が進んだことで今年6月から夏季の鉄道輸送を始めた。15年度は夏季に約200基分の輸送を計画する。同区間の鉄道輸送は現在約6割だが、15年度中に100%にする方針だ。

 13年4月から粉末クリーム「クリープ」など一部商品を鉄道輸送にした関東―九州間も年間でコンテナ100基分に倍増する。原料輸送を中心にトラックから船へのモーダルシフトも随時進めていく予定だ。

 06年に施行された改正省エネルギー法で荷主企業には省エネ対策の推進が求められている。鉄道輸送はトラックに比べ、一般的にCO2排出量が約8分の1になる。最近では長距離ドライバーが確保できず目的地以外の物流拠点で一時保管する事態も起きている。現在、盛岡―九州間は通常ならトラックで2日、鉄道だと3日かかり、早さやコストで差が縮まっている。

出典:2014/09/05付 日経産業新聞

■参考:森永乳業/CSRの取り組み
    http://www.morinagamilk.co.jp/corporate/csr/environment/carbon/

    一般社団法人 日本乳業協会/省エネ・省CO2
    http://nyukyou.jp/environment/eco.html

■ことば:「モーダルシフト」とは?
     輸送手段を変更するという意味合いの言葉であるが、交通に関連する環境保全対策の分野では、
     より環境負荷の小さい手段に切替える対策を総称してこのように呼んでいる。
     運輸部門の二酸化炭素発生量の大半は自動車によるため、狭義には二酸化炭素発生量の削減を
     目的とした、トラックによる貨物輸送から、鉄道や船舶に転換することをさすこともある。
     大量の幹線貨物輸送をモーダルシフトした場合、エネルギー節減、二酸化炭素、窒素酸化物の
     排出抑制、道路交通騒音の低減、労働力不足の解消などのメリットが期待される。
     一方、コンテナ列車、コンテナ船の増強、ターミナル駅、港湾の整備などが必要となってくる。
     (EICネットより抜粋)
     http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&serial=2556

     JR貨物/鉄道へのモーダルシフトとは
     http://www.jrfreight.co.jp/environment/modalshift.html



    
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