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【廃棄物】 産廃マニフェスト 未記載の混入1割も 運用実態調査(全国)

電子マニフェストシステムを管理・運営する日本産業廃棄物処理振興センターでは、昨年度から3年をかけて「産業廃棄物マニフェスト情報の信頼性確保と多面的活用策」についての検討を行っている。初年度は行政および中間処理・最終処分者等におけるマニフェストの運用とマニフェスト情報の活用実態の分析、最終処分場でのマニフェスト情報の信頼性の検討等が行われ、さきごろその結果が公表された。

処分業者に対し、マニフェスト記載情報と搬入物との一致の程度やマニフェスト記載情報の実績報告への利用について聞いているが、「取り扱う廃棄物がマニフェストに記載された種類と時々一致しない」とした回答が全体の約10%あり、数量が時々一致しないとした回答は約20%あった。記載情報の活用では、処分業者は「記載された種類・数量等については概ね信頼している」とした結果が得られている。マニフェスト記載情報が都道府県や政令市に提出する処理実績報告資料に利用されている割合が高い。都道府県・政令市は実績報告を廃棄物処理計画の策定等に活用していることから、マニフェスト記載情報の信頼性について検討していく必要性が高いとしている。


マニフェスト記載情報の信頼性に関する調査のうち廃棄物の種類に関しては、マニフェスト記載の種類と搬入物の種類との一致の程度で、約10%の安定型処分業者と約20%の管理型処分業者が搬入物の種類と記載の種類が一致しないことがあると回答した。また、本来はマニフェストには原則1種類のみ記載することとされているが、複数の種類記載があるマニフェストの割合が約10 ~ 20%あるとされた。実際の搬入物に未記載物が容積基準で10%超混入している割合は目視で約5~50%程度あったことから、異物の混入によって記載の種類が搬入物と異なる割合は20%程度と推定され、逆にマニフェスト記載種類の約80%は信頼できると考えられている。

産業廃棄物の数量については、約30%の安定型処分業者と約40%の管理型処分業者が搬入数量と記載数量が一致しないことがあると回答している。搬入物のマニフェスト記載重量と重量測定値都の比較では、記載重量と測定値が一致していた割合は約60%であり、このことが裏付けられた。 記載重量と測定値が一致しない残り40%の記載重量については、運搬車両の最大積載量と見られている。なお、環境省の重量換算係数で容積から算出する場合の重量換算係数の信頼性については、安定型処分場で約60%、管理型最分場で約30%が「信頼できる」としているが、全体として重量換算係数に対する信頼性の認識は高くない。

出典: 日刊資源新報 2012年11月

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