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【大気・廃棄物】環境省/水俣条約で新法/今国会に案提出関連法・政省令改正も(全国)

 世界規模の水銀被害を抑制しようと128カ国が署名する「水銀に関する水俣条約」の年内締結を目指し、環境省は国内における水銀対策の大枠を示した新法案を26日召集予定の通常国会に提出する。大気汚染防止法や廃棄物処理法の政省令を改正して対応するものもあり、全ての法整備を年内に終える見込みだ。


 水俣条約は、2013年10月に熊本県で開かれた会議で採択された。水銀の採掘や輸出入を原則禁止し、製造や廃棄などの取り扱いを国内法で規制するよう求めるもので、50カ国が批准した90日後に発効する予定。現在は米国など9カ国が批准している。
 同省は今年度、中央環境審議会に対策別の3つの委員会を設置し、水俣条約に対応する規制のあり方を検討してきた。いずれも今年度中に答申案が示され、新法案を皮切りに大防法改正案、廃掃法政省令改正案へと提出が続いていく模様だ。

 

 新法では、大気排出対策と水銀廃棄物対策を除く国内対策の全体像が示される。水俣病経験国として世界の水銀対策を先導するとの意識から、条約で求められた措置を超える法規制を行う内容となる見込みだ。
 国内に利用実態がないものも将来の利用防止のために禁止する。小規模金採掘(ASGM)はその一つで、これにより全面的に禁止となる。製造工程での利用も同様だ。

 水銀を一定量含有するボタン電池やランプ、体温計などの商品は、水俣条約で20年以降の製造と輸出入が禁止されている。国内で製造される水銀製品はすでにほぼ条約の基準を満たしており、新法ではより早い時期に、さらに低い基準値で禁止する方針を示す。
 その上で、国内で流通する水銀製品については、製品やパッケージなどに水銀使用を記載して消費者が選択できるような措置を求める。

 

 水俣条約は純度の高い水銀の輸出入を原則禁止する。新法では、それに加えて規制の回避に使われる恐れのある6種の水銀廃棄物についても対象とする方針だ。国内では水銀廃棄物から再生した水銀が輸出されており、法施行後は水銀・水銀化合物ともに、厳正な審査によって適正な使用と認められた場合に輸出が限定される見込みだ。
 輸出入に関しては、新法または外国為替法の改正で対応するとされており、どちらになるか未定。条約を超えた水銀製品の基準値や実施時期などは、新法に基づく政省令で策定することを目指して検討が続けられる。

 

出典:2015/01/14 環境新聞

 

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