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【水質】富士川の泥、除去を指示 国交省、砂利業者に 赤い濁りを漁協が発見(山梨)

 富士川を管理する国土交通省甲府河川国道事務所が8日までに、泥水を流して川を汚し河川法施行令に違反したとして、砂利を製造する南部町福士の業者1社に対し再発防止や泥の除去の計画書の提出を指示したことが分かった。

 

 富士川漁業協同組合(身延町)によると、南部町内の富士川では時々、川が濁り、ヘドロのようなものが川底にこびりついている。3月には同漁協の役員が砂利製造工場の近くで、富士川が真っ赤に濁っているのを発見。県峡南林務環境事務所に届け出た。

 

 同環境事務所が濁り水を確認した。砂利製造業者が、砂利を洗った際に出た泥を沈殿させる薬が切れたことに気づかず、泥水を処理せずに川に流したことを認めたため、同環境事務所は改善を求めたという。
 水質汚濁防止法は、汚水の出やすい施設は県に届け出て、水を放出する場合は各種の数値を基準値以下にするよう求めている。

 

同漁協によると、4月にも排水口から濁った水が出ていることを確認したこともあり、5月末に国交省富士川中流出張所に対し、業者を指導するように文書で要請した。

 

 砂利を割るなどして製品化する際、工場で洗浄するが、洗浄水の処理では、泥をこして水を循環させて使う循環方式と、洗浄水に薬を入れて泥を沈殿させ、上澄みだけを放出する方法などがあるという。問題の業者は放出方式を採用していた。業者が所属する富士川中流砂利協同組合によると加盟8社中、放出方式は問題の業者のほかにあと1社が採用しているという。

 

 7日に取材に応じた国交省甲府河川国道事務所は「濁った水を流したことへの再発防止と、積もった土砂の撤去からなる計画書を提出するように、6日に業者に指示を出した」とした。「漁協が県に出していた要請は、今回初めて知った。今後は関係機関での情報の共有を徹底したい」と答えた。

 

 砂利業者は「漁協、砂利協同組合、関係者に迷惑をかけて申し訳ない。対応を取るまで、砂利の洗浄をしないよう指示を受けた。13日までに計画書を提出したい。循環式にする準備を進めており、今月末までには対応したい」と話した。(渡辺嘉三)

 

出典:2015/07/09 朝日新聞 朝刊

 

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