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【プレスリリース】森づくりで、豊かな生態系を育む“有機の里の棚田”を守ろう! ~「Present Tree in くまもと山都」が、好評につき新たな森林整備協定を締結! 本日より里親を募集開始いたします~

認定NPO法人環境リレーションズ研究所(東京都千代田区、理事長:鈴木 敦子)では、19年間継続運営してきた、森づくりと地域振興を結びつける事業「Present Tree(プレゼントツリー)」のスキームを使い、熊本県山都町の白糸台地に位置するスギの伐採跡地の再生に際して、山都町(町長:坂本 靖也)、森林施業に取り組む緑川森林組合(代表理事組合長:坂田 鉄太郎)、土地所有者との間で、今後10年間の森林整備協定を締結、本日より里親募集を開始いたします。

 

「Present Tree(プレゼントツリー)」は2005年1月に始めた取り組みで、「人生の記念日に樹を植えよう!」と呼びかけ、大切な人や自分自身のために記念樹を植え、森林再生と地域振興につなげます。今までに、植栽が放棄されたところ、台風や山火事などで森林が消失したところ、里山として保全していくべきところ、水源の森として維持していくべきところなど、それぞれの理由により植樹が必要な場所(国内53カ所)で活動を展開してまいりました。その殆どは、少子高齢化が進んでいる地域にある一方、記念樹を植える里親の方々の殆どが首都圏を中心とした都市部の人達です。都市部の人達が、記念樹を持つことでその森を訪れ、都市と森との交流がはじまること、その交流人口増大のための拠点を担い地域を元気にしていくこと、がPresent Tree(プレゼントツリー)の狙いであり、新たな森の付加価値づくりに挑戦し続けています。

 

2020年6月に地震と豪雨からの復興を目指してスタートした「Present Tree inくまもと山都」は、お陰様で順調に森の再生が進み、2021年6月の第2弾、2023年6月の第3弾、2024年3月の第4弾に続き、今回で5カ所目の森林整備協定となます。今迄に、約1万8千本の樹に里親を募り、合計9ヘクタール超の森を再生しつつあります。第5協定エリアでも、更に多くの里親を募集し、地元の皆様と協力しながら森を育ててまいります。

 

くまもと山都(2021年植栽)

2,104本

1.39ha

くまもと山都Ⅱ(2022・23年植栽)

9,525本

3.91ha

くまもと山都Ⅲ(2024年植栽)

4,525本

3.24ha

くまもと山都Ⅳ(2025年植栽)

2,611本

1.19ha

合計

18,765本

9.73ha

 

山都町(やまとちょう)について

日本の有機農業の発祥の地といわれる熊本県山都町は、九州の真ん中に位置することから「九州のへそ」とも呼ばれ、日本百名山の一つ、阿蘇山を形成する南外輪山を抱き、南側は九州山地に接しています。 火山活動により生まれた豊かな地形と清らかな水は、絶景“蘇陽峡(そようきょう)”や名勝“五老ケ滝(ごろうがたき)”など多くの景勝地をつくり、美しい自然を育みました。

 

町のシンボルである通潤橋は、谷が深すぎて水を引くことができなかった白糸台地に水を送るため江戸時代に架けられ、2023年には国宝に指定されました。通潤橋から運ばれてくる川の水は白糸台地一帯の棚田を潤し、有機農業の発展に寄与すると共に、豊かな生態系を育んでいます。その価値は「通潤用水と白糸台地の棚田景観」として文化庁・重要文化的景観としても選定を受けています。

 

また、有機農業を核とした、地球と人と命との有機的な繋がりと美しい景観とを次世代へ継承し、将来にわたって豊かな自然を守ろうとする持続可能な町の取組は、国から【自治体SDGsモデル事業】に選定されています。

 

森が育む棚田の保全とそこに棲む多様な生物を守る里山再生

更に、「Present Tree in くまもと山都」第1・第3協定エリアは、生物多様性を保全する取り組みが評価され、2023年10月には環境省より「自然共生サイト(※)」に認定されました。

第5協定エリアとなる今回の協定林も、その自然共生サイトの近くに位置しています。高齢化・過疎化によって再造林未済地となっているスギの伐採跡地に、地元植生の広葉樹を植えることで、元々そこに在った森の姿に戻し、棚田の景観と多様な生物たちを守ります。

 

山都町が脈々と受け継いできた棚田とその周辺環境が、100年後まで豊かな生物たちと共に存続し続けるため、苗木の里親と町民との交流イベントを継続的に開催することより、植樹や育樹の作業を通して、町民と都市部市民との絆を育み、山都町の振興にも寄与していきたいと願っています。

 

Present Treeでは、2005年からこれまでに北海道から九州まで国内53カ所、海外2カ所で森林再生プロジェクトを進めており、現在までの植栽本数は約40万8千本におよびます。今後も様々な理由で森林再生による地域振興が必要とされている地域において、都市と中山間とを繋ぐプロジェクトを提供してまいります。また、個人、企業問わず、この活動に賛同いただける方を随時募集していきます。

 

※自然共生サイトとは…環境省によるネイチャーポジティブの実現に向けた取組の一つ。2023年より開始。企業の森や里地里山、都市の緑地など「民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域」を「自然共生サイト」として認定する。

 

◆「Present Tree in くまもと山都Ⅴ」申込ページ

https://presenttree.jp/ptforests/detail.php?id=42

目的

多様な生き物を守る里山再生

協定期間

2024年12月23日~2034年12月22日

所在地

熊本県山都町新小

管理者

緑川森林組合

地積

2.32ha(約5800本受け入れ)

樹種

アカガシ、シラカシ、タブノキ、ヤマザクラなど

 

 

◆Present Tree(プレゼントツリー)とは?

プレゼントツリーの「プレゼント」には、大切な人へのプレゼント、と言う意味と、その地域の森へのプレゼント、延いては地球へのプレゼント、という意味が込められています。「贈り物に樹を植えよう!」と呼びかけて、都市部の人達が、全国に拡がる放置された森や、災害に遭った森、ゴルフ場や牧場が破綻した跡地など、樹を植える必要のある場所に、自分や大切な人のために樹を植えて、地元と共にその後10年間育てていくというプロジェクトです。自分の樹がその地に存在することによって、その地域に足を運ぶようになり、足を運べば交流が生まれます。この交流によって、森だけでなく、地域丸ごと元気にしていきます。

植えらえた苗木は10年間、森になるまで大切に育てます。苗木の里親になった方には、樹の管理番号が記された「植樹証明書」と贈り主からのメッセージカードが届きます。

 来年1月には、プレゼントツリープロジェクト発足20周年を迎えます。

 

 

 

 

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