伊万里市が2010年度以降、同市大川町の宿地区農業集落排水処理センターで、水質汚濁防止法で定められた放流水の水質検査をしていなかったことが21日、分かった。県は同法に違反しているとして口頭で改善を指導した。
市によると、10年度に同センターの維持管理を契約している業者が、施設の保守点検のため、自主的に簡易検査した「水質分析結果報告書」を提出すると市に申し出た。市は、この報告書が水質の証明書になると思い込み、水質汚濁防止法に基づく水質検査を怠っていた。
同法では、簡易検査は正式な検査方法に当たらない。市は自主的に水質検査するか、県知事が認可した水質検査機関に委託し、「濃度計量証明書」を取得しなければならなかった。業者も「契約書では市側から水質汚濁防止法に基づく水質検査を委託されていない」と話している。
また、同法が11年4月、市など事業者に、年1回以上の水質検査や記録の3年間保存を義務づけるなど強化されたが、市は改正にも「気づかなかった」として、そのまま放置していた。